多くの企業で原材料や人件費の高騰などで商品やサービスへの価格転嫁が
求められていると思います。当然、予算達成は厳しくなり、在庫も膨らむ
ため営業への販売拡大が求められます。『会社の方針で値上げしたので販売
数量は落ちるに決まっている』私もこういった部下の叫びを何度も聞いて
きましたし、自分自身も発してきました。確かに会社の方針通りに動いた
結果だと思いますし、この責任を取れというのは酷な話だと思います。
ただ、自分の売り上げが減るのを傍観していてもことは解決しません。
営業としてどう動けばいいのでしょうか?
昨日まで、売れていたものが今日から価格を上げて急ブレーキをかけたか
のように販売が止まる。代理店からの注文も来ない。このことに対して
特効薬はあまりないのが実情であり、私の経験でもあります。ただ、自社の
価格を上げた時に顧客がどこへ流れているかを冷静に分析していない営業が
多すぎると思います。データ上での数字、注文が来ないことに対する焦り
からまともな精神状態ではなくなり、なかばあきらめの境地、評論家の如く
売れないことを正当化する営業マンの弁を聞いてきました。こういう時は
一点目として『変化を分析する』ことがスタートです。今失ったと見える
お客さんは来月に帰ってくるのか?一過性ものか?帰ってくるならその
蓋然性は何か?また、営業マンは年間で予算が達成するかを考えなければ
ならないので、この時点での判断がとても重要になります。
二点目は、何か月あれば取り返せるかを考える必要があります。価格転嫁して
販売数量が落ちた分を何か月で『どうやって取り返すかの戦略立案』が重要です。
もしかしたら一点目の分析から他社が価格転嫁を追随してきたら回復する
かもしれません。時間が解決する可能性もあります。だからこそ、一点目の
分析が重要なのです。戦略立案は価格転嫁したものを簡単に下げることでは
ないですが市況には逆らえないこともあり難しい判断になります。ただ、
できる限り価格に遠いところでの販促活動はいうまでもありません。
三点目は『現場の確認』です。データ上の販売減、注文の減少などの机上の
分析と合わせて、現場でお客さんがどういう顔をしているのかを自分の目で
見ることです。現場を見ずに悲観的になったり、楽観的になるのは愚の骨頂。
例えば、価格転嫁した商品を消費者はどうやって買っているのか、もしくは
買い控えているのか?『高いけど仕方ない。高いからほかの商品を買う』現場に
30分もいれば多くのことが見えてきます。一点目の分析と戦略立案を確認する
上でも『現場で確認をして、現場で答えをだしていくこと』が大切だと思います。
そこで、私の経験上、現場を観察すると考えていたことが間違っていることが
多くありました。価格転嫁は消費者にとっては大きなダメージですが、長年、
その商品を買い続けている消費者の中には、その商品を簡単に見捨てて
ブランドスイッチする人ばかりではないのです。価格は大きな要素ですが、
『顧客化』という状態になっているかをこういう時にしっかりとみてほしいのです。
四点目は『取引先と共通の課題にする』ことになります。取引先の窓口である
バイヤーも売り上げ予算が達成できなくなるのは共通の課題。ここから話が
長くなりますので後編でお話ししたいと思います。

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