『価格に勝る企画なし』からの脱却

営業を始めたばかりのころ、先輩や取引先のひと言で心が折れそうになる瞬間があります。
「結局は価格だよね」です。

こちらは一生懸命考えています。
資料も作った。
上司にも確認した。
移動中の電車では、なぜか窓に映る自分が少し営業っぽく見えた。
なのに最後は、
「それで、いくら安くなりますか」
で終わる。関西弁でいうところの「で、なんぼになる?」

このとき営業の心が折れるのは、
「やっぱり安くしないと勝てないんだ」
ということです。

でも、ここで本当に考えるべきなのは、
価格が弱いのかではなく、
価格以外の価値が伝わっていないのかです。

同じサービスでも、相手によって伝える価値は変わるので、価格はコストの足し算だけで決めるものではないという考え方があります。若手営業からも、価値が整理されると説明しやすいという声が出ています。

•まず結論

若手営業が価格競争から抜け出すコツは安く見せることではなく、これまでの実績と差別化を見せることです。「金の切れ目が縁の切れ目」あまりにも寂しすぎませんか?

ただ、取引先の決定要因で価格が筆頭なのは当然です。
予算がありますし、社内説明も必要です。

逆に言えば、違いが見えれば、価格だけの勝負になりにくいということです。そこにエネルギーを集中投下です。

•若手営業がハマりやすい罠

若手営業ほど、まじめです。
だからこそ、こんな流れに入りやすいです。

とにかく商品説明を頑張る

機能を覚えて、特徴を説明して、資料もきれいに話す。
でもお客さまからすると、
「その話、うちにどう関係あるのですか」
で止まってしまいます。

値引きが切り札だと思う

商談の最後に困ると、価格の相談をしたくなります。
たしかに短期では効くことがあります。
でもそれを続けると、次回から最初に値引き待ちされます。

提案が自分目線になる

「この商品は人気です」
「この機能が強いです」
「他社でも使われています」
このあたりは悪くないのですが、主語が全部こちら側です。

営業で大事なのは、
商品を語ることより、取引先の今後の展開を語れることです。
短期の数字より相手の信頼を優先する営業のほうが、中長期で強いという指摘もあります。

•若手でも使える事例

事例その一

コピー機を売るのではなく手間を減らす

たとえば、お客さまが事務機器を検討しているとします。

ありがちな若手営業の提案はこうです。
「こちらは印刷速度が速くて、機能も多くて、価格も頑張れます」

これだと比較表に入った瞬間、価格勝負です。

でも、少し変えるだけで見え方は変わります。
「御社は月末に大量印刷が集中していて、総務の方の待ち時間が長いですよね。そこを減らせる運用にすると、作業の詰まりがかなり改善できます」

こう言われると、取引先は
「少しは現場が分かってるな」
となります。

売っているのは機械でも、買いたいのは機械ではありません。
困りごとが減ることです。

実際に、顧客情報や過去の取引履歴をもとに、提案予定ではなかった商材を若手営業が成約につなげた事例もあります。大事なのは、なぜその提案なのかを説明できることでした。

事例その二

安さではなく社内で通しやすさを売る

たとえば、お客さまが新しいサービス導入を迷っている場面です。

若手営業はつい、
「競合より安いです」
と言いたくなります。

でも決裁する人が見ているのは、価格だけではありません。
導入後に混乱しないか。
現場が使えるか。
社内で説明しやすいか。
そこを気にしています。

そこで、こう変えます。
「初期費用だけで見ると最安ではありません。ただ、導入時の設定支援と利用定着までの流れを含めると、現場負担は抑えやすいです」

この言い方だと、価格の話を避けていません。
それでも、価格だけの話にしていないのがポイントです。

価格は価値の表現でもあるので、売る相手に応じて何を含めて伝えるかが重要だとされています。

事例その三

すぐ提案せず、先に聞く

若手営業は、沈黙が怖いです。
すると、会ってすぐ説明したくなります。

でも、強い営業ほど最初に話しすぎません。
まず聞きます。

たとえば、
「いま困っていることは何ですか」
だけでは浅いです。

一歩進めて、
「今のやり方で手間がかかるのはどこですか」
「社内で止まりやすいのはどの段階ですか」
「導入するとしたら、誰が一番大変になりますか」
と聞く。

こうすると、提案が商品説明ではなく、相手専用になります。

周囲や顧客の声をよく聞き、相手の目線で提案を修正していく姿勢が、提案のチャンスにつながるという考え方があります。 (itmedia.co.jp)

•明日から使えるコツ

先に課題を一文で言う

提案前に、
「御社の課題はこれです」
を一文で言えるようにします。

例として、
「新規開拓より、既存顧客の利用定着が壁になっています」
のように短く言うだけでも違います。

値引き前に違いを三つ出す

価格の話になる前に、
運用のしやすさ
導入後のフォロー
成果確認の方法
この三つを伝えます。

違いが見えると、値段だけで切られにくくなります。

商談後に自分へ一問だけ残す

商談のあとに、こう振り返ると伸びます。
自分は商品を説明したか、お客さまの仕事を理解したか

この問いだけで、提案の質はかなり変わります。

•まとめ

若手営業が価格競争から抜け出すために必要なのは、特別な話術ではありません。
相手の困りごとを具体的に言葉にする力です。

安い提案は覚えられにくいです。
でも、
「うちのことを分かってくれた提案」
は残ります。

だから、
商品をうまく話す営業より、
相手の状況をうまく話せる営業のほうが強いのです。

値引きは最後の一手です。
最初の一手にしてしまうと、営業はどんどん苦しくなります。

若手営業こそ、ここで覚えておきたいです。
価格で勝つ前に、今後の展開を語り、差別的な提案力で勝つ営業が一流の営業マンです。
そのほうが、持続力があり他社も追随できないのです。。。

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