シェアは静かに取れ!

シェア拡大は営業の使命だと思いますが、一気に形成を逆転するようなシェアもあれば、

時間をかけてシェアを拡大していく場合もあります。ただ、一気に形成を逆転するパターンは

競合他社の巻き返しもあるでしょうし、獲得した側も地盤が固まっていないということもあり、

また元に戻されることが多分にあると思います。営業の醍醐味ではありますが、敵失でないの

であれば私はシェアは静かに拡大していくもんだと指導してきました。

その理由は、取引先の交渉相手と利害関係でシェア変動させることができそうであっても、

これまで長い時間をかけて定着してきた慣習は、急激な変化にその先の消費者などが

ついてこれず実績を出しにくいことが多分にあるからです。例えばドラッグの売り場を

競合他社からあなたの会社の商品に一気に変えた場合に、今までの商品を買い求めていた

消費者はあなたの会社の商品にすぐにスイッチする人達ばかりではなく、自分が長年使っていた

商品を欲しくて他のドラッグに行ってしまうこともあるからです。あなたの会社の商品に

切り替えて、売り場全体の売上げを落としてしまえば、すぐにあなたの会社の商品の見直し

が成されて元に戻ってしまうケースがあるからです。これは、設備や機械やシステムを変更

する場合も同じで現場で対応できないのです。また、先述したとおり競合他社の巻き返しも

強いものがあります。競合他社の上司も『仕方がないな』では終わらず、『すぐに取り返せる

ように動け!』指示を出しているはずですから、必死になって営業員は動きます。

メンツなのか、はたまたその上司がその上の上司に怒られるのか分かりませんが、こういう

場合はなりふり構わずに挽回に来ます。まさにお金とお金が飛び交う戦争になりかねません。

結果として、あなたの会社がシェア拡大で一度は手にしたものがスルリと離れてしまうこと

可能性があるのです。

そこで大事なことは、あなたの会社が獲得したときにその取引先に貢献すること、そして

挽回されにくい環境を作っておくことです。まず、その取引先に貢献することですが、

消費者に対する商品であれば、一人でも多くの顧客を作っておくことであり、あなたの会社の

商品が着実に売れるように基盤を作っておくことです。地道なサンプリング活動などの

販促活動、機械やシステムの会社であれば、現場を訪問してのコミュニケーション作りなど

静かに地味に長期間の活動が重要です。結果として、円滑にあなたの会社の商品に移行されて

貢献できると思います。そして挽回されない巻き返されない環境とは、あなたの会社の商品

導入がGOALではなくSTARTだと認識していっそうの営業活動を進めておくことです。

取引先があなたの会社に変更して良かったと思うことは、売上げや利益の貢献は最重要ですが

それ以外に今までの競合他社がやってこなかったことを地道に続けていくことです。

0か100かの変更でないならば一層、地道な活動を続けて、ジワジワとシェアを拡大して

行くことが後々、強固な基盤形成になると思います。そして、大事なことはコミュニケーション

をしっかりと取ることで、あなたの会社がどのポジションにいると思われているのかを聞き取り

期待値の確認をすることが大事です。競合他社の噛ませ犬のようなポジションから脱して、

取り組みメーカーになっているか?そうでないなら足らないことを補完する必要があります。

過去に私が良く指導したのは、『販促金などのお金で取った案件はお金で取り返される』

一過性のお金は必要かも知れませんが、その後の活動が長期に渡りおつきあいしてもらえるか

どうかを左右します。

静かに地道に活動して競合他社に気付かれないように、気付いた時には競合他社も手が打て

ないような活動で、静かにシェアを拡大してください。。。

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