企画書は何センチの厚み?
企画書作成に相当な時間をかけている営業をよく見てきました。提案の時期が来ると
、1ケ月ぐらい毎日毎日パソコンに向き合い続け、提案の前日には徹夜に近い時間ま
で作っています。
そして、提案当日に中を綴じて本のように仕上げています。50頁の力作です。
見栄えが良く、しっかりとデータを揃えて、分析して、提案内容も完璧で、最終的に
は背表紙までついて。
1枚に2分かけて話すと100分。聞く人の身になると苦痛に感じる人も少なくない
でしょう。私からするとトーク力に自信が無いのか、それともこの厚みに対して取引
先が評価すると思っているのか?
そうでない人も多いと思いますが、私が見てきた人は、企画書を作ることが目的にな
っていて、良く注意していました。まずは、今回の提案のポイントが絞れなくなり、
取引先が何を求めているのもが提案の起点になっていないと思います。でも、何回注
意しても相手はこれを求めていると言って作ることを止めません。
努力の指標が企画書の厚みでしょうか?
本当に取引先は求めているのでしょうか?
バイヤー達は、少なくても1日に5社ぐらいのプレゼンを受けます。
20ページの企画書を5社が持ってきたら、100ページの企画書を読んでいることになり
ます。もし、その日が自社だけの時間であっても、バイヤーには負担なはずです。
企画書を作る前に少し考えてみてください。
相手の立場に立って企画書を作る。 →
これは提案を受ける側に立って考える
目的の達成に向かって企画書のストーリーが展開されているか →
目的を達成するための最重要ページはどのページか
この提案を採用したらどうなるか →
何を取引先と共有したのか
毎回、パワーポイントの企画書でなく、たまには、A4縦のレジュメに変えてみたら
どうでしょう? もしくは、起承転結で4ページのパワーポイントとか。
バイヤーが採用しないのは、企画書が薄いのではなく、提案内容が薄いのです。
例えば、今回の提案内容が1年間の取り組みの合意であるならば、現状の課題を
データで共有して、解決に向けたアクションとその蓋然性のデータを示し、それが
想定通りに進めば課題解決になるといった組み立てです。
PDCA(皆さんはご存じですが、PLAN・DO・CHECK・ACTION)にPROBLEMのP
を付けて、PPDCAで作成することをお奨めします。取引先の課題を指摘して、取引先
とPLANを合意したのであれば、合意したことを実行して、合意した通りに進んでいる
か?
そして、実行の見直しです。大事なのは、取引先と合意したことが予定通り、次の
ステージに進んでいけるかということだと思います。取引先との取組みは一過性のも
のではなく、未来永劫に渡って続いていくはずです。あなたその一時期を担い、後進
へと繋いでいくことで、会社と会社の関係が強化されていくのです。
話が大分それましたが、企画書作成に時間をかけるよりも、今回の提案で取引先がど
ういったコメントが出てくるかを予測し、それに対する明確に回答するシミュレーシ
ョンに時間をかけることの方が大事だと思います。
あなたが時間をかけて作った分厚い企画書を説明している時に、取引先がウトウトし
ていたり、イライラして時間を気にしていたら、悪いのは取引先だけではないかも知
れません。
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