よく部下に仕事の行く末を考えて仕事をしているかを問うていました。一旦、仕事を
始めると入り込んでしまい手段が目的に、プロセスがGOALになってしまい、何のため
に今頑張っているのか分からなくなっている社員を多く見てきました。気持ちは分から
ないではないですし、部下達に指摘すると『分かっています!』というけど完全にはまって
しまっていることが多いのです。簡単な事例を挙げると、商談用の提案書を何日も時間を
かけて綺麗なパワポで大作を作り上げる社員がいますが、いつも指摘してきたのは、
提案書にある程度の時間をかけたのなら、商談をイメージした想定問答や取引先との
ロールプレイングを頭の中で行うこと。商談で取引先からの質問が来そうなことへの
返答を準備しておくことなどです。また、社内の報告書もしかりです。報告書の作成に
時間ばかりかけて、わかりやすく伝えることの準備ができていないので、冒頭の質問で
引っかかり報告書を最後まで説明できずに終わる姿を幾度となく見てきました。まずは、
しっかりと資料を仕上げるというのは理解できますが、目的は取引先に提案を採用して
頂くことであり、上司やトップにきっちりと報告を伝え指示を仰ぐことだと思います。
受験勉強を無我夢中で取り組み、良い学校に入ったものの、自分がその学校やその先の
人生で何をやりたいかを考えておらず、入学当初から卒業するまで茫然自失。
みたいな事と同じです。どこの会社にも必ずいると思うのですが、学歴はすごい高いのに
仕事が全くできない社員がいます。おそらく、入社する前にその会社で何をしたいか、
そしてその会社が自分の人生とどう関係していくかなどを考えてこなかったんだと思い
ます。
話を戻しますが、手段が目的になっていては達成すべき事に最短距離で迎えません。
そこで大事なことは仕事の行く末を考えて、今の仕事をどう進めるかです。事例を挙げ
ると、取引先のシェアを25%まで引き上げる。そのためには、当社品の採用商品数や
採用される企画数を上げなければならない、そのために良い提案を考えて、良い企画書
を作成して良い商談をしないといけない。競合他社からの妨害活動の対策も考えておか
なければならない。採用された場合の社内営業もしておかなければならない。そして、
25%のシェアが獲得できそうなら次の展開を考えなければならない。先々の行く末は
こういったイメージでつながって行くのですが、ここで言いたいのは、仕事の行く末を
イメージすることができたなら、それを実現するための手段やプロセスにおいて、
必要以上に時間をかけずに徹底的にスピードアップを図ることです。この仕事の行く末
は、自分だけで進んでいくのでなく、取引先の方針変更や競合他社との競争があり、
予定通り進まないことの方が多いのです。なのに、企画書の作成に時間をかけたり、
商談のアポイントを安全を踏んで先々でとってしまいます。スピードというのは取引先
からみても、提案の質の高さに次いで重要なことなのです。仕事の行く末をイメージして
スピードをあげて進めていくことを意識してみてください。また、手段やプロセスを
軽視しないことも理解してください。仕事の行く末を考えると今のうちにやって
おかなければならない事も明確になるはずです。例えば、提案内容のエビデンス収集や
情報もとっておかなけれなりません。
仕事の行く末を考えるとは、現時点を起点にした場合に将来の達成ポイントから逆算
して起こりうることの対策パターンを作成しておくこと、また、必要なものを集めて
準備しておくこと。もっとも重要なことはスピード上げて仕事の行く末に向かっていく
ことだと思います。また、途中で暗雲が立ちこめることもあると思うので、最悪の場合
を考えてリスクを最小限にすることです。これを何回か実行していけば目的を失うこと
もなく、自然と行く末を考えた仕事の進め方ができるようになっていきます。
是非、Happy!なイメトレから実践してみてください。
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