情報が取れない営業は営業ではない!
営業として必要なことの一つに、細かい情報収集ができる仕組みを作っておくことがあります。いつか、その仕組みから重要な情報を掴み、大きな成果に辿り着く可能性があるからです。自身の経験でも、成功を掴んだ後に、振り返ればあの時の情報があったので上手く動けたとか、情報に基づいた提案ができたということが多くありました。
そのためにも日常的に、社内外で1番早く情報収集することを心がける必要があり、そのためには、情報のアンテナを張り巡らせる場所を作り、電話やメールやLINEで鮮度の高い情報が直ぐに入ってくるコミュニティ作りが必要となります。これが、情報収集の仕組みづくりということです。
取引先から、『あなたに言ってあげないと』と思われ、すぐに連絡がもらえる関係づくりが完成形となります。なので、一日やそこらでできるものでなく、短くても2~3ケ月は最低でも要します。どのように活動すべきか?黙っていても情報は舞い降りては来ませんし、競合他社も同じように情報を集めているはずです。
情報収集の仕組み作りで大事なことは3点あると思います。
まずは1点目、普段からのコミュニケーションはできているか? について自身の見解を述べたいと思います。
普段からのコミュニケーションです。
都合のいい時だけメールや電話をしたり、アポイントを取ったりしていませんか?
取引先から都合のいい奴だと思われると、『あの人には言わなくていいや』ということになり、競合他社が知っているのに自分だけが知らないことになります。
古い営業スタイルだと思いますが、どれだけ顔を見せたか・どれだけ電話やメールをしたかという、非常にシンプルで誰にでもできる努力が普段からのコミュニケーションができているかということになります。
だからこそ、1度面談の機会が取れたら、面談の終わりに必ず、次に合う口実を作り、それを永遠と繰り返すことでコミュニケーションは形成できます。『来月はお時間いつ頂けますか?』これができない人が非常に多いのです。
情報収集の2点目は、定期的な商談時間の中で、上手く情報を収集することができているかです。取引先のバイヤーの労働時間の何パーセントが商談時間で、何パーセントの時間を自分に費やせてもらっているか? バイヤーの時間のシェア率と言ったところでしょうか。私の経験上の考えですが、商談時間の長さと情報量は比例すると思います。
あなたのイメージが悪く取られないようにするためにも、普段からのコミュニケーションをどう取っているかが営業の情報収集能力の差であると思います。例えば、急に取引先がプレスリリースした後に、に応えるのが10人目かも知れません。情報収集能力がない人と評価が下がるのも嫌ですが、そんな大きなプレスリリースするならば、プレスリリースと同時に発表を貰えるような環境を作っておきたいですね。
だから、1番に問い合わせができる環境を作り、1番早く情報を収集するのです。
そして2点目は、こちらからも情報発信をしているか? ということです。
情報が無い人に、情報は提供されません。あなたに情報を渡してもなにも返ってこない。取引先も多くの情報を収集して、会社に報告しなければならないのに、情報のない人よりも、何でも知っている人に聞き。そのやり取りの中で、あなたは情報が収集できるはずです。
また、『情報交換しましょう』と言われ、あなたが持っている情報に価値があるか?
相手から情報を得るときに、相手が知りたい情報を用意しておく。相手は何の情報が欲しいか? 恐らく、業界全体の事を知りたいし、マーケットの動向、時事ネタの深さ、取引先の競合の動き、など相手が知りたい情報を渡すことはそんなに難しいことではないのですが、あなたがどこまで準備しているかということになります。
また、仕事以外のアプローチからの情報収集も必要ですね。思わぬ共通点が見つかり、関係構築に繋がるかもしれません。そのためには、会話のジャブを打たなければならない。そのジャブとは? 言葉のイントネーションで出身地から会話を広げるか、スポーツの話、身に着けているもの、好きな食べ物、持っている鞄や来ている服のブランド。
とにかく会話のジャブを打って共通の話題から、ビジネスの話に繋げていく。
このあたりが営業のセンスだと思います。会話が続く人ほど営業としての基本的なスキルを持っている人だと思います。私は口下手だからとかいう人がいますが、話が続かない人の共通点は、相手との話の展開をあまり考えていない人ではないでしょうか? 何時間もかけて準備する必要はなく、ある程度の想定問答ができるようになるとあとは、自然にできるようになるものです。
話が逸れましたが、情報の交換をするために、自分からも情報を鞄に詰めておくようにしたいですね。
先程も触れましたが、不思議なことに、あの人は情報通だから聞いてみようと相談されるようになると、その相談自体が大きな情報になっていることが幾度となくあります。お金と一緒で、情報も持っている人に集まってくるのかもしれません。
3点目ですが、私が一番大切にしている事です。
情報が収集できる現場に行ってるか?ということです。少し話は逸れますが、関連するので触れておきます。
3現主義という考え方です。
ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが説明させていただきます。
3現主義とは、現場・現物・現実の重要性についての考え方で、問題が起こっている現場に行き、現物に触れてみて、現実を分析して考えるということです。
現場で何が起こっているかを理解するために、現場で働く人たちと繋がっておくことはとても重要で、前回や前々回で述べたことの信憑性を裏付けていくことにもなります。
そして、現場から情報を上げて頂く事も重要です。
メールやリモートが進む世の中で発想は古いかもしれないですが、やはり現場からの情報は臨場感もあり全体を把握すべき営業にとっては大事な事だと思います。
現場意識は私の営業の基礎だと思い、部下にも
『現場で考えて、現場で答えを出す』
という教えを説いてきました。
現場での情報で大事なのはデータの背景や関連性、周囲の変化はもちろんのこと、現場で働くパートさん、自分の商品を買ってくれる生活者の顔や身なり、全てが情報です。最も現場の事を知らないのは本部で忙しく働くバイヤーや購買責任者だと思います。現場の事は全て理解していると思い込んでいるのか、忙しすぎてそれどころではないのか? 現場こそ消費者との接点なのですが、データ分析を否定している訳ではありませんし、データ分析は最上級に重要な仕事だとも思いますが、現場でしか分からない情報多くあるので、あなたがその仕事をバイヤーに変わって担うことも一つの方法かもしれませんね。
実は情報を多く持っている人の話はとても論理的で自信に満ち溢れているのも一つの傾向であり、情報収集進める上での二次的な効果だと思います。
情報と噂は非常に近いところにいます。気が付いたら噂話に明け暮れて、取引先にも角度の低い情報を流す可能性があります。情報に溺れることなく、使い方やタイミング、使う相手もしっかり考えて、一流の営業マンになってください。
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