営業の提案について(後編)

営業の提案について、前回説明しましたが前述した「取引先の悩みや課題を聞き出す力」

について説明したいと思います。過去に、私も買い手側(購買側)にいた経験もあるので

一番だめな営業の事例を挙げます。それは、悩みは何ですか?今日はヒントを教えて

頂くために来ました!とストレートに聞いてくる営業マンです。何が駄目かと言いますと、

我々のために何も考えてくれていないことが分かってしまうのです。取引先は営業の

あなたがいろんなデータや情報を分析したり、現場に行って観察したり、課題を考えて

くれているあなたの姿を見ているのです。そこまでしてやっと、取引先は同じ目線である

事を理解して相談を持ちかけてくれるのです。これでスタートラインに立てたといえます。

そして、取引先の悩みや課題を聞き出すことになりますが、注意しないといけないのは、

自分が得た知識をさらけ出して私は知っているという空気を出さないことです。でも、

知っていることは伝えないといけないので、相づちでそれを伝えていくことが良いと

思います。例えば、『取引先のバイヤーが何々の売り上げが悪くて、、』みたいな事を

言ってきた場合『確かに先月までは数字が良かったですよね、競合先は御社ほど売り上げ

が落ちていないので原因はどう考えていますか』と言った感じで、会話を組み立てていきます。

次に取引先のバイヤーが言うことは想像もできないような答えではないはずなので、

具体的な内容でなくても構わないので、対処事例をいくつか用意しておきます。また、

ここであなたが分析したデータや現場のヒアリングを出すポイントです。

次の段階では、自分自身に明確な答えがあっても提案を控えて、取引先のバイヤーとの

アポイントを取ることに徹した方が良いと思います。アポイントの機会を得ることと、

提案の精度を上げてエビデンスも固めていくことが大事です。普段の定期的な商談から

脱却して、カウンセリング的な営業に変革する事になります。そして、『前回のお話から

こう考えたのですがバイヤーはどう思いますか?』と聞き取りを再開します。前回よりも、

悩み事や課題が絞れているので話が具体的になるかと思います。あなたが分析したデータ、

現場のヒアリングをまとめて課題を明確にして、提案の段階に入ります。

提案の内容は、3つのパターンから入っていき、各パターンのメリットとデメリットを

明示します。そこで、バイヤーとの会話が発展していくことになります。また、大事なのは

この面談で全てを決めずにもう一度、次のアポイントを取ることです。こういった感じで

課題を聞き取り、提案を絞りながら確認し、細部を詰めていき、結果検証をして、次回の

提案を行うと言った無限ループ的な商談を進めていくことが大事です。優秀な営業マンは

これを当たり前にやっています。

『私は聞く力がある』とか言っていた政治家がいましたが、『聞き出す力』が大事です。

相手の口先だけの言葉に右往左往するのではなく、取引先が本当に思っていることを

聞き出す必要があります。また、先方の取引先も悩み事や課題の本質も理解しておらず、

解決策も持っていないケースが多いため、あなたが提案することによって自分の考えを

まとめているケースも多いと思います。テニスの壁打ちみたいなものです。

是非、占い師のように何に悩んでいますか?みたいな営業から、取引先の悩み事や課題を

解決できれば信頼される営業マンの地位を獲得できるはずです。

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